王子さまは、バラはもうムリって思って自分の星から飛び出しちゃったのね。もう戻らないって決めて星を掃除して大袈裟な旅立ちよね。バラのことは、置き去りってこと?凄く気になるところよ。
Bonjour ! 星の王子さまの話の中でも、は自分の星を出て行くところはまさに「旅立ち」の場面、この時の王子さまの心情は、フランス語の言葉を知ると話の流れと重みを感じられることと思います。では、ご一緒に!
Contents/目次
星の王子さま 不幸な恋から身辺整理
王子さまなりにバラにどれほど尽くしても不協和音になってしまう毎日。王子さまはバラから離れる決心をしたわけです。
ただの別れではなく、アデュー。永遠にさようなら。
そして、王子さまはバラから「逃げた」というくだりを、皆んな知ってるイラストとともにフランス語の原文で見つけることができます。
王子さまは逃げ出すために野鳥の渡りを利用したのだー小島俊明氏
他の翻訳では概ね、星を「出た」というニュアンスですが、フランス語では「évasion」、脱走、逃亡、逃避 などの意味の単語が使われていて、王子さまがバラから逃げ出した、事の深刻さが感じられるでしょう?
王子さまは星を去るという行動にバラがどれほどうろたえるだろうかと予想して、というか、うろたえて更に難題をふっかけてくるバラに冷や水を浴びせるつもりだったかも?
と意地悪に思ったりします。
実際に本の中で、バラは王子さまを咎め立てる様子が全くないので、王子さまは覆いガラスを持ったまま呆然とする様子が描かれています。
王子さまが星を出るということは、バラを見捨てるということですから。
こんなはずでは・・・ってことね。冷たい風はどうするのよ、獣が来たらあたしどうなるの?ってバラが泣いて責め立てると決めつけてた。
ところがバラは王子さまの幼い予定に反して「ごめんなさいね、幸せになってね」と厳かにのたまい、泣き顔を見られないように「さっさと行って!」と恋心を振り切る。
居たたまれなくなった王子さまは文字通り足早に「逃げ出した」って感じね。
毅然としたバラの別れの態度を、あなたならどう訳す?
翻訳の例を上げてみましょう。書籍のリンクは記事の下にあります。
そんなにも勝気な花だったー小島俊明氏
それほどに見栄っ張りな花なのでしたー河原康則氏
とても気位の高い花でしたからー山崎庸一郎氏
では、再びフランス語の単語を見てみましょう。
ougueilleuse
とあり、高慢な、堂々とした、威厳のある という意味があります。
そもそも、和仏辞典もなんだかな?と思うことがしばしばあるけどね。
(´゜д゜`)?
勝気も見栄っ張りも気位も、ちょっと違うな。
どんな思いで静かに決別を告げるのか・・・最後だもの、誇り高い花だった、と私は思うよ。
星の王子さまとバラの決別、おわりに
画像は、amazon.frで、ダイヤモンドペイントキットというのを見つけました。リアルで凄くドラマチック!
王子さまが星から出たことは、バラを置き去りにしてバラから「逃げた」ということ。
恋の壮絶な別れのシーン、いかがでしたでしょうか?
もしあなたがバラだったら、泣くっていう感情が残ってる時に、こんな風に毅然と振り切れますか? 私は到底無理かな。。なんて思いながらも憧れる。
サン=テグジュペリはこれほどまでに恋の痛手を語っています。
星の王子さまは本を開けばどこを読んでも読み応えのある場面ばかり。
私も今だに読むたびに発見があります。
フランス語の単語を知ることでお話が身近に、ますます面白く感じられるようになったら幸いです。
星の王子さま書籍
記事でご紹介したように、翻訳者の文体などによって別の世界が描かれていると言っても過言ではないでしょう。先ずは日本語がすんなり入ってくる翻訳を選ぶといいと思います。
読書・翻訳本
フランス語朗読CD付き書籍
- 河原康則氏:小さな星の王子さま
CD1枚、抜粋の朗読。若手俳優ステファノ・ファッコ氏の聴きやすく心地よい声と朗読。フランス語原文を聞いてみたい方にもとてもオススメです。 - 小島俊明氏:対訳フランス語で読もう「星の王子さま」朗読CDセット版
CD2枚全編朗読2時間10分収録。名優ベルナール・ジロドー氏朗読、音楽挿入あり。サン=テグジュペリの音声あり。
星の王子さまでフランス語を学ぶ書籍
お読みいただき、ありがとうございました。
Merci et à bientôt !